平然とそんなことを言う芦名くんに、なんだか眩暈(めまい)がしそうで。


と、同時に、少しだけ怒りそうになった。


「……サイテーだよ、芦名くん」


……どうせ私のことなんか、なんとも思ってないくせに。


あの笑顔だって、ヤキモチだって、嘘なんでしょ?


「芦名くんは何がしたいの……?」


「俺はね、野乃、」


──カシャン


いつの間にかフェンスまで追い込まれて、目の前には芦名くんの顔だけ。


真後ろは空中。このフェンスが壊れたら、死んでしまうような状態。


「……自分の気持ちがわからないんだよ」


「なにそれ勝手……っ、」


「うん、そうだね。だから、おれの本当の気持ち、一緒に探してよ」