「……そんな全力で困ったような顔されると、もっと意地悪したくなる」


「っ!?」


「わるーいオトコに狙われないように、野乃はもうちょっと、かわいい反応をやめるべきかな」


そう言って顔を近づけてくる芦名くんが、キケンな瞳をしていて。


思わず、ギュッと目を瞑った。


「……そーゆーの、」


見てなくてもわかる、至近距離。


「……余計に煽るって知ってた?」


直後

──唇に一瞬、熱が触れた。