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芦名くんが許可してくれて、二階の芦名くんの部屋へ。……しぶしぶって感じだったけど。



「結局おれは野乃に逆らえない運命なんだ……」


「え……なにか言った……?」


「んーん。なーんも。それよりほら、着いたよ」



お喋りしながら階段を上っていたら、あっという間に部屋の前。

やっぱり、楽しい時間は早く過ぎてしまう。少しもどかしい。



「お邪魔します……」


「もっと気軽に入っていいのに。これからも入るつもりあるんでしょ?」


「……うん」



見透かされていて、なにも言えない。

でも、芦名くんに見透かされてるっていうのは、言い換えればわかってもらえているということで、嬉しくなる。