気付けばわたしは、目の前の芦名くんを抱きしめていた。
「……の、野乃……?」
「もうない?隠しごと」
「今のところ、は……。あの、野乃さん?どうしたの?おれ、殴られる覚悟はしてたけど、これは予想してなかったっていうか……」
「………殴るわけない。わたし、嬉しいもん。芦名くんの秘密、知れたみたいで」
少しドギマギしてる芦名くんが、なんかちょっぴり新鮮で、すこし笑いそうになった。
代わりに、わたしは抱きしめる力を強める。
わけもなく泣きそうになって、きっとこれが愛しさっていうものなのかな、なんて思って、少し恥ずかしくなった。



