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次に視界に広がったのは、空の模様。
空ではなかった。空模様の壁紙。


「……あ、起きた?野乃ちゃん」


「………孝也さん、」


「お茶飲む?今淹れてきたんだけど」


「………いただきます」


他に人はいないようだった。わたしと孝也さんの二人だけ。

芦名くんの姿が見当たらなくて、少し落胆した。


「……あの、ここは?」


見知らぬ部屋。

たしか最後の記憶は───と、思い出してまた、一人で恥ずかしくなる。


「ここは康生が住んでる部屋。いつものとこの二階だよ」