「……少しだけど、毒が入ってたらしい」







───ああ、やっぱり。




「お前、“予想してた”って顔だな」


「まあ、昔飲んだときの感覚に似てたから」


「……それでも。お前は()めなかったんだな」


夏樹が苦しそうに顔を歪めた。


苦虫をかみつぶしたような表情。


そんな表情(かお)を自分がさせてしまっているのだと思うと、やるせない気持ちになった。



「………ごめん、」