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やって来た先は、保健室。
「──いいかげん離してください……!」
「だから無理」
「なん………っ、」
その先は言えなかった。
花瀬くんとの顔のキョリ、およそ5センチ。
驚きすぎて、言葉が止まった。
「……ちっか」
「離れてください……!離してください……!授業に戻ります……!」
「いーから、話聞けって」
シャッというカーテンを開ける気持ちの良い音とは裏腹に、私の気分はドン底だった。
理不尽にも程がある。
そっちから声かけてきたくせに、女の子ってだけで冷たくされるし。
あんな目立つことされたら、しかも花瀬くんに、みんなの前であんなことされたら、私の“クラスで友達できる確率”が大幅に下がってしまったではないか。……もともと低かっただろうけど。



