「…!『凛くん』か…」

この人は私の話を聞いてるんだろうか。
いや、聞いてないな10秒ほど待っても返事がない。

「あの、櫻井くんどうしたのですか?急に顔が赤くなったりして。」

「へ?!いや、なんでもないよ!それより、なら俺も雪平さんのことを名前で呼べば雪平さんも俺のこと凛って呼ぶんだよね?」

確かに、私が言ったことなんだからそうしないといけないだろう。
ただ、なんだろう。
櫻井くんを凛くんと呼ぶのは少し気がひける。

「まぁ、そうなりますね。」

「なら、俺はこれから雪平さんを名前で呼ぶよ。」