夢をみた それはそれは、嫌な思い出


小学生の頃母親が出て行った
恨んではない。


僕をあの男から守ってくれたから
ただそれが限界になったというだけ


俺の父親であるあの男は、日常的に暴力を振るった
医者だったあいつは、自分の手が傷付くのを嫌がり、いつも物で殴ってくるか蹴ってくるかだった


何がきっかけで暴力を振るうようになったかは知らない 知りたくもない


母はいつも俺を庇って痛みに耐えていた
幼いながらに母が痛い思いをしていることはわかった


でも何もできなかった
俺は小さくて、あいつに反抗すればひとたまりもない


だから母はずっとずっとあざだらけで耐えていた