ある日の夕暮れ


花夜は僕に聞いた


「ねぇ、なんで私が月華だって言ったとき
驚かなかったの?」と。


「ええ?そこ気になる?」


「うん、とっても。」


僕は苦笑いした。
“それ言っちゃうと引かれちゃうかなぁ”


「花夜、引かないでよ?」


僕は目を閉じて、あのときの記憶を思い起こした
人生で一番怖かった日を。––––––––––