体調が回復したので
全員で花見と称して、宴
島原に行った

女中達も店の食事に大喜び


僕は、チビチビと酒を飲んだ



今夜は、門限なし
皆、浮かれて騒いでいる


あれ?



薫がいない



僕もこっそり宴を抜けた


薫が行くとしたら…


やっぱり



「帰りたい?」

遠くから、実家の灯りを見つめていた


薫は、僕に微笑み首を横に振る



「もう、薄暗からひとりで歩いてると
あぶないんだよ!」


僕は、薫の手をとった


子供じゃないから手を繋ぐなんて
ちょっとドキドキする


「夜桜見物もいいね!」


薄ら見える桜を見上げる




そして、薫を見ると
バチッと目が合う


薫は、ずっと僕を見ていたらしい