「……行きましょう、もう今日は人も来ません。それに瑞稀ちゃんも早く帰りたいんじゃないですか?」
そっと顔を上げるといつもと変わらない笑顔が夕日に照らされていつもよりかっこよく見えた。
「センパ…っ」
「僕は、あなたのことは妹みたいに思っています。今までも、そしてこれからも。それは変わることがないと思います」
私の言葉を遮ってさっきの答えを出した。
「そ……ですか。ありがとうございます。私、センパイの妹的存在になれてよかったです。」
最後は笑顔で、先輩の元から去る。
そうじゃないと、今にも溢れそうな涙がこぼれてしまう。
その姿を見られたら、自分が惨めに思えるから。
私の変な意地でも、それだけは許さない。

