たとえ叶わない恋でも。



瞬間、頭を鈍器で殴られた感覚が私を襲う。


それでもなんとか平静を装おって

「そ、そうなんですか……私と一緒ですね」

と、"普通"に返した。



「瑞稀ちゃんも、片思いしてるんですか?」

何も知らない先輩が私の顔を覗き込みながら聞いてくる。



してるんです……先輩に。

友達思いで優しくて、嫌なこと言われても笑顔で対応してる。


そんな先輩に片思いしてるんです。



「……今日はもう帰りましょうか」


ほら、そうやってまた私に優しくする。


「……センパイにとって、私は、どういう存在ですか…っ?」



答えはもう分かってる。


私は妹的存在だってことも分かってる。


でも、それでも、もし。


もしまだ、私に一縷の望みがあるなら、それにかけたっていいんじゃないかって、私は考えるんだ。