「手首に、リストカットとは違う縛られたような跡と、手の甲に引っ掻かれたような傷がある」

「え?じゃあこの子、ただ殺されただけじゃなくてどこかに監禁されてたってこと?」

赤い線のような傷跡を見ながら朝子が言う。その時、「あれ?」と言った。

「このご遺体、何か握ってる」

強く拳を握った右手から、何か白いものがはみ出している。慎重に拳を開き、藍が山本咲が握っていたものを取り出す。それは、一枚のメモ用紙だった。

「O.K?」

アルファベットでそう書かれていた。他には何も書かれていない。

「わかった!これは犯人の名前ですよ!!」

原刑事が興奮しながら言う。如月刑事が「落ち着け」と言った。

「取り敢えず、殺人の疑いで捜査を進める」

解剖が終わった後、如月刑事がそう言った。



数日後、大河が慌てた様子で藍たちのもとへ走って来た。

「薬毒物検査の結果、出ました!!」

藍たちは立ち上がり、検査結果を見る。トリカブトに含まれるアコニチンが検出された。

「もう一度、現場に行ってきます!」

藍はそう言い、部屋を飛び出した。