パチンコ店の入り口に立ち、早川辰巳が来るのを二人はひたすら待った。

張り込みを始めて三時間が経った頃、藍から電話がかかってきた。

「山本咲が監禁されていた場所を特定しました。××町にある近所で有名な猫屋敷です」

「猫屋敷!?」

原刑事がマヌケな声で言う。如月刑事は、「ありがとうございます」と言い電話を切る。

そして、辺りが暗くなり七時になった頃、腕に龍の入れ墨を入れた男が歩いてきた。早川辰巳だ。

「早川辰巳さんですね」

如月刑事が早川辰巳の前に立ち、警察手帳を見せる。

「山本咲さんが殺害された事件について、ご同行願います」