「おーい。昼食出来たぞー」

そう言いながら、涼太は食卓にご飯を並べた。

「わぁ!兄ちゃんの手料理久しぶりに食べる!」

「コロッケだ!私の大好物…!」

太一くんと千夏ちゃんは、目を輝かせながらコロッケを見つめていた。

「今日は、梨香お姉ちゃんも一緒に食べるってさ」

涼太は、2人を見つめて微笑む。千夏ちゃんは「そうなんだ!」と笑った。

「梨香、遠慮せずに食べてよ」

涼太は、席に座りながら言った。私も涼太の隣に座り、昼食をとり始める。そんな私たちを、涼太の両親は微笑ましく見つめていた。

私はコロッケを口に入れ、ゆっくりと咀しゃくする。

「…美味しいよ」

私は、そう言って涼太に微笑んだ。涼太は顔を赤くし、「ありがと」と微笑む。

私、語彙力無いから上手く表現出来ないけどとにかく美味しい!料理人になっても良いんじゃないかってぐらい。涼太の将来の夢は、私と同じ介護福祉士だけど。私と涼太は、福祉コースに入っている。

「…梨香お姉ちゃん!」

私がご飯を食べ進めていると、千夏ちゃんに話しかけられ、千夏ちゃんの方を向いた。視界に入る太一くんの顔が少しニヤついている。

「梨香お姉ちゃんって、お兄ちゃんのことをどう思っているの?」

千夏ちゃんもニヤリと笑い、私を見る。その言葉に、私はむせ込んだ。

「ゴホッ…ゴホッ!」

「梨香、大丈夫?千夏、変な質問をするな!」

涼太は私の背中を優しく擦ってくれる。私は「だ、大丈夫…喉痛い…茶くれ」とむせながら言う。

私は、涼太からお茶が入ったコップを貰い、一気に飲み干した。