調理実習をしてから数日が経った。私は、いつもの光景にため息をつく。私の席の前に座る私の幼なじみは、多くの友達に囲まれていた。とにかく、その男子は騒がしい!

もう一度言おう。男子が騒がしい!ギャーギャーと騒いでいる。

私は、もう一度深いため息をついた。ちらりと私の幼なじみである暁 涼太(あかつき りょうた)を見た。涼太は、愛想笑いを浮かべている。

涼太は元々大人数、騒がしいのが苦手だ。そして、周りに合わせる癖がある。私の前では素だが、涼太はそれを隠して友達と接していた。

「涼太!行け!」

「おう!」

「ナイス!やった~!!倒したー!」

私は、今日で何回目になるのか分からないため息をつく。そして、明日の休日のことを考えることにした。明日、私の家に涼太が遊びに来るのだ。

…明日、昼食にでも誘おう。そう思いながら、私は授業の準備をするために席を立った。

…もし、涼太が昼食に来るんなら、何を作ろうか。涼太の好物でも作ろうかな。