「みーちゃった」
後ろにいる高木からは足立の顔は見えないが、そうだ、きっと目を細めて笑っている。
獲物を狩る捕食者の目で。
「人のものは盗んじゃいけません、て習わなかったかな?」
「ちが……」
なにか言い訳をしようと男子の口が動く。
「ふうん? なにが違うって?」
「こ……この傘は、両方俺のもので……」
「へえ。わざわざ二本も持ってくるなんて、随分と心配性なんだね」
後ろにいる高木からは足立の顔は見えないが、そうだ、きっと目を細めて笑っている。
獲物を狩る捕食者の目で。
「人のものは盗んじゃいけません、て習わなかったかな?」
「ちが……」
なにか言い訳をしようと男子の口が動く。
「ふうん? なにが違うって?」
「こ……この傘は、両方俺のもので……」
「へえ。わざわざ二本も持ってくるなんて、随分と心配性なんだね」

