足立古書堂 謎目録

「ふむ」

いつの間にか足立は左目を閉じている。

「これはもう一度、釣りをする必要があるねえ」

「は?」

高木は小首を傾げる。

「こないだのストーカーにもう一回会うの?」

「あれはもうクーラーボックスの中だよ。いつでも捌ける、私のまな板の上だ」

「?」

「釣り上げるのは、別の魚。うーん、餌はなにがいいのかな。これはまた、詳しい話を聞かなきゃね」

ふふ、と足立は笑っている。

なんの話か、高木にはさっぱりわからないのだった。