「さあて」
足立は窓を乗り越える。
男子の隣でひょいと足を上げるのははしたない、と言おうか迷ってやめた。
代わりに別のことを問う。
「餌ってそれ? なにが餌?」
ストーカーが確実に来ると思えるほどの餌。
窓枠に手をかけながら、高木はてくてく歩く足立を眺める。
「多分あの子がストーカーだなと目星がついたんで、彼女の近くでこんな話をしたの。『兎田くんが持っている革張りの手帳は、元カノからもらったものらしい』ってね」
足立は窓を乗り越える。
男子の隣でひょいと足を上げるのははしたない、と言おうか迷ってやめた。
代わりに別のことを問う。
「餌ってそれ? なにが餌?」
ストーカーが確実に来ると思えるほどの餌。
窓枠に手をかけながら、高木はてくてく歩く足立を眺める。
「多分あの子がストーカーだなと目星がついたんで、彼女の近くでこんな話をしたの。『兎田くんが持っている革張りの手帳は、元カノからもらったものらしい』ってね」

