足立古書堂 謎目録

すうっと彼女の顔が青ざめる。

唇の端が歪んでいる。

隣にいて、高木の肌も粟立った。

「顔もばっちり写ってるからね。君の実名も知ってるよ。……わかるね?」

こいつ、怖ぇ……。

初めてそう思った。

なにが怖いって、ただの脅しで済まなさそうな言葉の重さだ。

本気でやりかねない。

巻き髪の女は兎田の手帳を放り出して、逃げるように教室を出ていった。