足立古書堂 謎目録

「……ふふ。証拠写真、ゲットー」

歌うように言いながら立ち上がり、彼女は窓をガラリと開けた。

中にいた女子が身をすくませて、強ばった顔でこちらを見ている。

「君、窃盗って言葉知ってるかな。犯罪、だよ」

犯罪、とそこを強調する。

彼女の手にはしっかりと、兎田の私物が握られていて、言い逃れはできない。

「あ……私、ただ、兎田くんが……」

彼女はひくついた笑いを浮かべていた。