足立古書堂 謎目録

その翌日の放課後である。

日は傾いて、教室には誰も残っていない。

「……なあ、本当に、来るのか? ストーカー」

「餌は撒いてある」

誰もいない教室を覗くのは足立と高木だ。

この学校の教室の外側には、バルコニーが備えられていて、彼らはそこで膝立ちをしている。

「餌?」

足立は起動させたデジカメを右手に、虎視眈々と眼を光らせている。

「食いちぎりたくなるやつをね」

「……食いちぎったら逃がすことになるじゃん」