足立古書堂 謎目録

「……その基準に従うなら、今回のストーカーは面白いってこと?」

「うん、まあ」

足立は思案するように小首を傾げた。

「思うところは、色々あるねえ」

「なに?」

「さあ。まだ推測の段階だから、あんまり言いたくないな」

ストーカーを捕まえれば、わかることだよ、と言って彼女は立ち上がる。

肩透かしを食らった気分になって、高木はわずかに眉をしかめた。

「そんな顔しなさんな。種は最後には明かすよ」

子どもにでも言うように足立が言って、眉はもっとしかめられるのだった。