初めて古書堂を訪ねたときだ。

足立さん、と話しかけた友人に、なにかな、と彼女は言った。

「相談事のある同輩だろうなってわかったからだよ、あのときは」

「え……なんで?」

わかりきったことを、とでも言いたげな目で足立は高木を見た。

ちょっといらっとくる。

「わかった、あいつや俺の顔を覚えていたから? クラスメイトだからいいやって?」

「あいにく、君たちの顔はこないだ初めて知った」

こいつ……。