足立古書堂で足立を見ていてわかったこと。

こいつは案外よく喋る。

幽霊騒ぎの解決をみた日から数日後、一人で古書堂を訪れた。

足立は高木の顔を覚えていたらしい。

「やあ、こないだの」

なんとも気楽な挨拶だ。

「足立さん、客にそういう対応はどうかと思うけど。俺は知り合いだからいいにしてもさ」

「知り合いだからこういう対応なだけだよ」

「……でもこないだ来たとき、『なにかな』とか言ってなかったか」