ほんとうなら、わたしは早起きが大の苦手だし、学校という環境も好きじゃない。それなのになぜ、職業訓練という選択肢を選んだのか……それは、全て正紀とのため。正紀と会うためだけに、願ってもないチャンスにしがみついた。生活費なんて、底をつけば最終手段で実家に帰ることができる。だけどそれを選ばなかったのは……。
わたしはコーンをつつきまわしながら、怒りで内蔵が震えるのをかんじた。——あのクソったれ。
ここ一週間、正紀とは一度も連絡をとっていない。イコール、正紀からメッセージがこない。映画であるような、実は親族が死んで大変だったとか、そんなことは正紀には絶対に起こらない。起こったとしても、必ずわたしに報告するはずだ。そしてそのあと自分語りがはじまる。
取り巻く怒りに、いてもたってもいられなくなったわたしは、正紀に一週間ぶりのメッセージを送った。
夢 :話したいことがあるの。電話させて
二分後、返事が返ってきた。
正紀:今は無理だ。
たったのこれだけ? いつからそんなにそっけなくなったのよ。
