明日からのための学校用ルックを揃えなきゃ。なにが必要かな……とりあえず、カーディガンとプリーツスカート——ミニスカでもいいわ——それからソックスとルームシューズ。別に、先生が若くてかっこいいからじゃない。ただ、おしゃれをして、モチベーションを上げたいだけ。

 入校式を無事に終わらせてから、そのままショッピングモールに向かった。お会計はオェッとするほどの値段になったけど、先生を手に入れるならこれくらい、痛くも痒くもない。すこし痛いかも……いいえ、かなり。

 初日は自己紹介があってサイアクだったけど、二日めにはさっそく目黒先生の授業に入った。

 わたしの頭のなかに、しっかりと情報が刻まれていく。〈目黒太一、二十八歳の独身。血液型はO型。一人暮らし。趣味はバスケ、好きな色は深緑〉
 うーん。なに一つ共通点はないけれど、お互いに教え合えば——って、わたしってば先生を狙おうとしてる! 正紀がいるのに。でもあのバカは何も言ってこないし、自然消滅の道真っしぐら。けどもう前みたいなケンカはうんざり……となると、こっちからも何も言わない方がよさそう。

 お昼休みは教室にいるのが気まずくて、というよりオバ様連中と話す気にはなれないから外へ出た。

 午後はさっそくパソコンを触った。
 ホームポジションって、そんなものがあるなんて知らなかった。