ただ愛されたいだけなのに




 正紀——……。

 今となっては約束をやぶられたことなんてどうだっていい。会えないことよりも、正紀と心が離れていることの方が辛い。今回の旅行は、わたしがつっ走りすぎたの。

 こんなにうれしいプレゼント、他にある?
 わたしは正紀に電話をかけた。もう零時が近いけど、まだあと十五分はクリスマス。

「もっ……もしもし」
 戸惑ったような声の正紀が電話に出た。久しぶりに聞く声は、すこし違う人の声みたい。

「ごめんね……プレゼントありがとう」
 わたしはズビビと鼻をすすった。
「俺も……ごめん」
 正紀のまわりは静かだ。

「今まででサイコーのプレゼントだった。手紙も読んだよ。ほんとにありがとう」
 わたしはスタンドランプを点灯した。
「こっちからは何も送らなくてごめん」

「いや、それはいいよ。プレゼントはただ俺が喜ばせたかっただけだから……」
 正紀は弁解するように付け加えた。
「俺の自己満だよ。それに、チケット無駄にさせちゃったしな」

「そうだね」
 そうよ。キャンセル料とられたんだから。
「でも、わたしこそごめん。今度からは慎重に行動するようにする」