わたしと白田は目を合わせて笑いあった。 「ほら、だから言っただろ? 田端さんも心配してるって」 「そうは見えなかったけど」 でも、ほんとに心配してたのかも? 「これは退職祝いだ」 白田が店のロゴ入りの紙袋を手渡した。 「これを一つや二つ食べたところで、体重は増えないよ」 「わあ、お気遣いどうも——では、あの……帰ります」 サヨウナラ、地獄のウェイター生活。 サヨウナラ、白田お手製のカロリーの悪魔カスタード・プリン・デニッシュ。