「じゃあ……ぽっちゃりは?」
期待をこめてたずねてみる。この頃にはお腹が轟音のように鳴り響き、電話越しに聞こえやしないかとハラハラしていた。さすがにサラダ一つじゃ健康的とは言えない。
「うーん……ぽっちゃりって、擬音だろ?」
正紀の笑い声が、なぜだか皮肉に聞こえる。
「余分な脂肪がぽちゃっとあるのは……ちょっとなあ」
「ハハハ。だよね、同感」
わたしは間を置いてたずねた。
「わたしも痩せた方がいいかな」
「え? うーん、別にいいんじゃないか?」
正紀の声は普段どおりだ。
「一、二キロ落とすくらいで。そういえば、体重と見た目は比例しないって最近よく耳にするな」
ナンダッテ? 正紀は今、ナンテ言った?
「俺の友達に、体重は軽いのに、余分な脂肪がつきまくってるやつがいるんだよ。横幅は俺の二倍くらいあるんじゃないかな」正紀は話し続けている。「筋トレしたらって勧めてるんだけどね」
「ああ……まぁね。わたしもそうする」
