真夜中まで続いた電話を切って、ベッドに入った。目を閉じて、五分もしないうちにお腹が鳴った。何か食べたい。夕飯は健康を考えて、タマゴサラダと鶏肉のささ身と野菜スープしか食べていない。給料が入ったのに、こんなちっぽけなものだけで我慢するのはそうとうな拷問だ。今すぐ近くのファミレスへ駆け込んで、パスタを胃に押しこみたい。
翌朝、目覚ましが鳴る前に起きたわたしは、真っ先に冷蔵庫に向かった。お昼用のサンドイッチと冷製パスタがある。朝から麺? そんなこと構いやしない。とにかくお腹が減った。よく噛まずにバクバク食べて、バイトの休憩中には控え室に置いてある、従業員用のお菓子にも手をつけた。
まだ明るい時間だもん。夜じゃなければ平気。
田端さんに叱られるたびにチョコバーを一本づつ食べたせいで、夜にはヒドイ自己嫌悪に陥った。
「正紀もやっぱり、細い子が好き?」
わたしは夕食をチキンサラダのみにした。そのせいで、お腹がグーグー鳴っている。
「そりゃあな!」正紀は即答した。「華奢なかんじが女の子らしいし」
