正紀:親父が同じ部屋にいるからさ。本当にごめんね?

 わたしはすぐに返事を打った。

 夢 :お父さんどうしてそんなに厳しいの?
 正紀:いや厳しいっつうか、会話を聞かれたくないんだ
 夢 :ふぅん。まぁいいけど。わたしも忙しいし
 正紀:ごめんな。忙しいなら、また後で電話しよう
 夢 :どうせお父さんが寝てからでしょ
 正紀:ああ、まぁそうだけど…

 わたしはスマホをソファーに投げつけた。正紀と付き合うようになって六ヶ月、どうして正紀を好きになったんだろうと時々思ってしまう。わたしとは正反対の正紀。二十四歳で大学生、裕福な家庭で育つ甘ちゃん。わたしとは、似ても似つかない。