わたしは急いで文を作った。読み返しもせずに送信する。


 夢 :これだから童貞は嫌なんだよね。自信が
    ないなら、少しくらい気使ったらいいん
    じゃないのって言ったの。それにわたし
    お金のことなんか言ってないんだけど。


 スマホをポケットにねじこんで、挨拶もせずに職場を離れた。冷たい風も何のその、走りに走った。どんな内容の返事がきているか楽しみで、走り続けること十分。ようやく家についた。

 バッグはテーブルに、わたし自身は真っ赤なソファに投げだした。ポケットの中で待ち構えているスマホを手にとる。

 〈メッセージ 三件〉

 三件も? 全て正紀からだ。これは罵り合いをする覚悟が必要ね……。わたしは冷蔵庫から炭酸水——ダイエットのため——とストローをとってきた。三口飲んで、メッセージを開く。