小学生ではないおばさんたちはノリノリで、椅子を中央に寄せた。音楽は先生が担当すると言い、携帯で洋楽を流した。演歌の方がよかったんじゃないかしらん。

 わたしにやる気はまったくない。一周目ではやくも脱落して、同じく退屈そうな福留さんと、はしゃぐおばさんたちを観察した。

 次に伝言ゲームがあり、わたしは先生から遠く離れた場所に入れられてしまった。次のモノマネごっこでは、先生がお笑い芸人の真似をして——まったく似ていなかった——おおいに笑いを誘った。

 ようやくフリータイムがおとずれたとき、わたしは時計ばかり気にしていた。こんな調子なら、はやく終わってしまえばいい。何もかも。

 福留さんの希望職種を興味津々なふりをして聞きながら、遠く離れた場所にいる先生をながめた。亀田さんが携帯を取り出し、先生も携帯を取り出して……ああ、なんてこと。二人は連絡先を交換している。

「どこに就職するか決まってる?」
 福留さんが言う。