「やっぱり若い子は華があるわよねー」
おばさんはわたしの肩を撫でた。
「わたしはね、朝ここに来た時は必ず斎藤さんの後ろ姿を見るようにしていたのよ。控えめに努力をしてるんだもの。やる気をもらっていたわ」
おばさまったら、大好き!
「そんな、わたしはぜんぜん……」
わたしは謙遜した。
「あれだけ勉強をしないと結果が出せないんです」
「あら、それは当たり前よ!」
おばさまがホホホと笑う。
「ねえ? 先生と斎藤さん、お似合いじゃない?」
はっ⁉︎⁉︎ わたしはあまりにもおどろいて数センチ飛びあがった。
「二人とも若いですもんね」と他のおばさんも同意する。「
先生は彼女がいるの?」
「いえ、いません」
先生は笑顔を保っている。
「いいじゃないの! あなたたち、お似合いよ!」
おばさまは、わたしの背中を先生の方へ押しやった。「
ほらほら、んまぁ! いいわね〜、わたし、若いカップルが大好きなのよ。ホホホ」
こんな強烈なキャラクターのおばさん、このクラスにいたっけ?
わたしは下を向いた。先生の表情を確認する勇気が出ない。
