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「え?!裏切ったって…」

私はコクっと頷いた。

「浮気してたの。先輩がデートの後家に送ってくれたんだけど、夜遅かったから先輩のあとを追って、先輩の無事を途中まで見届けようとしたの。そしたら…」

グッと言葉が詰まってしまう。

これ以上話したら涙が出そうだ。

あの時のことは、今でもはっきりと覚えている。

話すって決めたのに、なかなか口が動こうとしない。

すると、優希が

「大丈夫だよ、それ以上は。話してくれてありがとう」

と言って、頭をポンポンしてきた。

そしたら何故か、涙が溢れて止まらなかった。

なんで、なんで。

止まれ。止まって。

私の意思とは関係なく溢れ出す涙を見た優希は、視線を私から逸らしてくれた。

その時、私は優希の肩に寄りかかった。

何でだろう。

自分でもよく分からない。

でも、こうしたかった。