「何で貴方がここにいるのよ」
追っ手の更に後ろから顔を出すヴィオルド。追っ手は突然の声に慌てて後ろを向いたが、その人数を確認して自分達の有利を確信する。
「おやおや、ピンチに陥ったレディを助けに来た紳士に対しての台詞じゃねえな」
「誰も頼んでないから」
「誰があんたをレディだと言った。そこの商品にされそうな少女達のことを指している可能性もあるぜ?」
「どっちにせよ私がいれば充分よ!」
「へーえ?」
ヴィオルドはニヤニヤしながら「本当かよ」と言いたげに返事をした。ミーナにとっていつも通りの憎まれ口も、こんなときではほっとしてしまう。いや、いつも通りだからこそほっとするのだろう。
「あと、俺もいますから! 先輩、俺にも格好つけさせてくださいよ!」
ドルークもいたようで、会話の切れ目ができたら今だとばかりに存在を声高に宣言する。ヴィオルドとドルークの気の抜けたやり取りに、ミーナは小さく笑いを漏らす。
彼らのお陰で普段の自分を取り戻せた彼女は杖を構え直す。レネと捕まっていた少女達十数人を背中に庇い、状況を整理した。
ミーナは少女達に向けて考えを口に出す。
「あの人達がここまで来たということは、屋敷の入口とここまでの経路はたぶん安全。きっと見張りのほとんどは戦闘不能の状態よ。あの人達は誰にも追われていないからね。だからあとはここを突破するだけ」
「本当に、助かるんですか?」
目に涙を溜めた少女が恐る恐る尋ねた。
「もちろん! だから貴方達も希望を捨てずに最後まで走って、逃げるの!」
「はい!」
少女達が口々に返事をする。
彼女達の表情が明るくなったのを見たミーナは、こんなところで怖気づいていられないと自然に広角が上がった。
「さぁヴィオルド、見てなさい!」
追っ手の更に後ろから顔を出すヴィオルド。追っ手は突然の声に慌てて後ろを向いたが、その人数を確認して自分達の有利を確信する。
「おやおや、ピンチに陥ったレディを助けに来た紳士に対しての台詞じゃねえな」
「誰も頼んでないから」
「誰があんたをレディだと言った。そこの商品にされそうな少女達のことを指している可能性もあるぜ?」
「どっちにせよ私がいれば充分よ!」
「へーえ?」
ヴィオルドはニヤニヤしながら「本当かよ」と言いたげに返事をした。ミーナにとっていつも通りの憎まれ口も、こんなときではほっとしてしまう。いや、いつも通りだからこそほっとするのだろう。
「あと、俺もいますから! 先輩、俺にも格好つけさせてくださいよ!」
ドルークもいたようで、会話の切れ目ができたら今だとばかりに存在を声高に宣言する。ヴィオルドとドルークの気の抜けたやり取りに、ミーナは小さく笑いを漏らす。
彼らのお陰で普段の自分を取り戻せた彼女は杖を構え直す。レネと捕まっていた少女達十数人を背中に庇い、状況を整理した。
ミーナは少女達に向けて考えを口に出す。
「あの人達がここまで来たということは、屋敷の入口とここまでの経路はたぶん安全。きっと見張りのほとんどは戦闘不能の状態よ。あの人達は誰にも追われていないからね。だからあとはここを突破するだけ」
「本当に、助かるんですか?」
目に涙を溜めた少女が恐る恐る尋ねた。
「もちろん! だから貴方達も希望を捨てずに最後まで走って、逃げるの!」
「はい!」
少女達が口々に返事をする。
彼女達の表情が明るくなったのを見たミーナは、こんなところで怖気づいていられないと自然に広角が上がった。
「さぁヴィオルド、見てなさい!」



