「何、言ってるんだ?」

俺に久我山の処理を押し付けておいて
結婚する気がないって

どういうことだよ

「だってスーちゃん
瑛ちゃんと結婚するでしょ?

そうしたら光ちゃんと家族になるわけだし

マコは光ちゃんの愛人でいいって
言ってあるから」

「マコは良くても…」

「光ちゃんも納得して
受け入れてくれた

だから体を重ねた

そうじゃなきゃ
マコは光ちゃんの気持ちを
受け入れない」

マコの熱い視線に
俺は目をそらした

マコの気持ちが
まだ俺にあるのは

何なく
気づいてたけど

俺は
マコの気持ちを
受け入れられない

「光ちゃん
優しいよ
マコの気持ちを知ってて

全部理解してて
マコを抱いてくれる

マコは一人で生きていけないから

光ちゃんの優しさが
すごく幸せ」

マコはにっこりと笑うが
寂しそうだ

「だから
瑛ちゃんにはしっかりして
もらわないと
困るの

お母さんに気持ちをぶつけるだけじゃ
ダメってこと

スーちゃんは
すごく気にしてる

抱かれたいけど
お母さんに嫌われたままじゃ
いけないって感じてる

でも
自分でどうにかできる問題じゃないって
わかっているから

黙ってるけど

本当は
心が裂けそうなくらい
悩んでる」