部活が思っていたよりも、時間がかかった。


晴翔くんと来翔くん、お腹ぺこぺこだろうな。
はやく行って、夜ご飯を作らないと。


そんなことを考えながら、歩いていると宇野くんが歩いているのが見えた。



「あっ、宇野くーん!」



あたしが宇野くんのところへ走った。



「ごめん、今日は遅くなっちゃった! 部活に時間がかかっちゃって!」



「俺も今、母ちゃんのお見舞いから帰ってきたところなんだよ」



確かに制服を着ていない、結構ラフな格好だよね。



「そっか。お母さん、体調どうだった?」



「元気そうには見えるけど、身体的にはまだ退院はかかるってさ」



「そうかあ。ちょっと心配だね」



「うん。いつも元気なところしか見せないからさ、母ちゃんは」



「それだけお母さんは、宇野くんたちに心配かけないようにが頑張ってるんだね」



宇野くんの家族、本当にみんな家族のことを愛して大切にしてるんだね。


あたしだって、お父さんのこともお母さんのことも大好きだし、お父さんもお母さんもあたしを愛してくれている。
だけど、よく考えたらあたしはお母さんの趣味を一緒に楽しむくらいで、あんまり役に立つようなことできてないなぁ。


あたしは、歩きながら1人で反省していた。