「宇野くん、ごめんね……」



胸が張り裂けそうだ。二度目の告白だなんて、一度目よりも本当に勇気がいりそうなことだろうに。


それなのに、あたしの返事は『ごめんね……』。


あたしの今の心は、宇野くんが気の毒という感じでいっぱいになった。



「やっぱりあたし、宇野くんを恋人にしてあげる訳には行かない。あたし、好きな人がいるの」



好きな人。
でも、本当に好きなのかは分からない。
けれど、その人を忘れられなくて。それで違う人と付き合うとなるのが、うまく出来そうになかった。


本当にあたしってば何だろう。
まるで二股でもかけてるみたいで。



「大丈夫。そんな悲しい顔をしないで」



俯いたあたしの顔を覗き込む宇野くん。
やっぱり、とあたしは思った。
笑顔だけど、やっぱり目が疲れている。



「ねえ、疲れてるの?」



ついに聞いてしまった。



「え?」



「宇野くんって、いつも疲れた顔をしている」



あたしが言うと、彼はハッとした顔になった。が、すぐに柔らかく笑った。



「気にしなくていいよ。じゃあね」



「うん」



あたし達は、公園を出て自分の家へと帰った。