「りーおー! はやくはやくー!」



「待ってよ、真凛たちー!」



あの声は……水越さん達だ。
声のする方をちらりと見ると、水越さん達がカフェに入ろうとしている。



「真凛ちゃん達だ……!」



花蓮も、声でわかったらしい。


きっとこれから、クリスマスパーティーにでも行くつもりなんだろう。

あっ、そういえば。



「ん?」



「予定がないなら、喫茶店で食事系パンケーキ食べに行く?」



「えっ、いいの!?」



「うん。お腹いっぱいだったら、話は別だけど」



「こういうことがあるから、別腹って言葉があるんでしょ!」



花蓮ったら、別腹は甘いものを食べるときに使う言葉だということをすっかり忘れている。



「花蓮。“食事系”パンケーキだからね? 甘くないやつだよ」



「で、でもでも、お腹いっぱいだけど食べたいのは本当だもん!」



花蓮は両手を左右に振りながら言った。



「お腹いっぱいになりすぎても良くないから、2人でひとつね!」



花蓮の提案に、僕は大きく頷いた。