『あの〜、私、朝ご飯作らなきゃいけないんだけど……。』


そう声をかけても彼は手を離してくれない。


「良いじゃん……。」


彼はそうとしか答えない。
……まぁでも、彼の気持ち良さそうな顔を見ると、ここから離れたくないとも思ってしまう。


『……まぁ、いっか』


私はそう呟いて彼の方にもっと近づいた。


「ははっ、大好き。」


そう目を閉じたまま言う彼。
私はこの顔をずっと見れますようにと願って瞼を閉じた。