そうしたら、彼が私の手を引いて体を彼の方に向けさせられた。


「こうなったのは誰のせいでもないの。だからそんなに自分を責めちゃダメ。良い?分かった?」


彼が私の手を握りながら言う。


『…ごめん。』
「ほら、また謝った。謝るよりも感謝してよ。そっちの方が良いだろ。」
『…うん。』


うん。
そうだよね。
ごめんね。
ありがとう。
私は彼の手をぐっと握り返した。
私の涙はいつの間にか止まっていたみたいだ。


「ほら!もう、この話は終わり!ってか、お腹痛いんだろ?はい。」


彼はそういうと同時に彼の足をぽんぽんと叩いた。
私はにかっと笑うと、そこに頭を乗せた。


「早く良くなれ良くなれ~!」

私の上で魔法をかけるような動きをしている。
気を紛らわそうとしてくれているのか。
本当にありがたい。


『ふふっ。…でも懐かしい。膝枕してもらうなんていつぶりだっけ?』
「だいぶ前だな。もう少し俺にも頼れよ。とりゃっ」


彼は私のおでこにぺしっとデコピンをする。
彼の顔を見ると少し(あか)かった。
私は彼に抱きついた。


「急にどうした?」
『…別に。』


大好きだよ。
言葉じゃ表せないくらい大大好きだよ。
ずっと…ずっと傍にいさせてね。
ずっと私の傍にいてね。
この願いが叶いますように。




❧fin❧