「えぇ〜」なんて駄々をこねる掘田くんの腕を掴んで、教室から連れ出す。


けれど教室から出た直後で、さらに私の手を誰かに掴まれた。




「あんま無防備に男に触んな。バカ」

「あ、飛鳥くん……」


その犯人は、ちょっと不機嫌な飛鳥くんご本人様。




「いててててっ!こら飛鳥!暴力反対!」


気づいたら飛鳥くんが掴んでいた腕が私から掘田くんに変わっていて、掘田くんは苦痛の声を上げた。



その間にも、着々と注目は集まっていくわけで。




「もう、いいから学校出るよ!」


凛ちゃんの一声がなかったら、きっと囲まれて動けなくなっていたことだろう。



私たち5人は、そそくさとその場を後にした。