案の定、教室内の視線が私と凛ちゃんに集まった。


私は慣れっこだけれど、凛ちゃんはこんな経験滅多にないのに。




自分たちがどれだけの影響力を持ってるのかを、彼らは自覚していない。


先頭でやってきた掘田くんの後ろには菊川くんと飛鳥くんもいて、3人の仲の良さが相変わらずなことは伝わった。




「あのさ、夏休みなんだけど」

「ちょ、ちょっと待って掘田くん!移動しよう!ね?」



周りの状況なんかおかまいなしに話を始めようとする掘田くんを、慌てて制す。



ただでさえこの3人組勢揃いで注目を浴びてるのに、夏休みの話でもしてみなさい。想像もしたくないことが起こっちゃうよ。


そこのところ掘田くん、絶対わかってない。