「一華?」
私の後ろにいた菊川くんが、驚いたように声を上げたのはその直後だった。
いちか、ちゃん……?この女の子の名前だろうか。
「いっくん!あれ、もしかしていっくんのお友達?わわっ、本当にすみませんでした!」
菊川くんの姿を確認した彼女は、また深々と飛鳥くんに頭を下げる。
続けて菊川くんまでもが飛鳥くんに謝るものだから、みんなこの状況がつかめずに首を傾げた。
「驚かせてごめんな。この子は一華。僕の双子の妹なんだ」
「えっ!?」
そして紹介された言葉には、まさかの「妹」。しかも双子……?
そう言った菊川くんの横で「いつも兄がお世話になってます!」とペコリとお辞儀するその顔は、確かに菊川くんとよく似ているような、似ていないような。



