そんなことを思いながら、みんなで駅まで行こうと話していたときだった。
飛鳥くんがお店の扉を開けたタイミングで、「きゃ!」と知らない女の子の声が。
「え、飛鳥くん?どうかしたの?」
飛鳥くんの後ろにいた私たちは、彼の背中しか見えない。
何が起きたのかわからなくて飛鳥くんの前に回り込むと、飛鳥くんの腕に……知らない女の子が、しがみついていた。
……ドクン。
「ごっ、ごめんなさいごめんなさい……っ!お怪我はありませんか!?」
どうやらお店から出た飛鳥くんに、勢いよくぶつかったらしい。
その女の子は、すごい勢いで謝りながら飛鳥くんから離れた。
……いま一瞬、心臓が変な音を立てたような気がしたけど気のせいかな。



