こんなに素敵なところ、教えてくれてもよかったのにね。飛鳥くんならこのお店が私好みなのもわかってたはずなのに。
「ずるい、飛鳥くん」
「バカ。教えたらお前絶対通うだろ」
「当たり前じゃんっ。こんなに素敵なんだもん」
「……だから教えなかったんだっつの」
コツンとおでこを小突かれて、もう一度「バカ」と言ってくる飛鳥くん。
え、全然意味わかんないよ。通ったらダメなの?
「……ったく、そんな顔すんな」
私の不満たらたらな気持ちが顔に出ていたのか、飛鳥くんは私の顔を見るなり困ったようにそう言った。
それから頭に手が伸びてきて、ポンポンと撫でられる。