だって、私が嫌がってる理由を2人は確実にわかっている。
それなのにこうして話しかけてくるのは、楽しんでるからだ。……本当タチが悪い。
「って、あれ?今日は佐藤ちゃんポニーテールなんだね。なんか新鮮」
「あー、うん。今日暑かったから……わっ!」
菊川くんににこやかに話しかけられたタイミングで、後ろから伸びた手によって私の視界はグラついた。
ポスッとおさまった先は、誰かの腕の中。……まぁ、そんなの1人しかいないから誰かなんて考える必要もないんだけど。
「飛鳥くん」
「ん」
「ん、じゃないでしょ」
その腕から解放して欲しくて名前を呼んだけれど、当の本人の飛鳥くんは全く離す気はなさそうだ。



